
形見の筆跡
形見メモ家族カードの一文、レシピの見出し、「母より」。この系統でいちばん依頼の多いタトゥーだ。
形見の筆跡タトゥーは、亡くなった人や大切な人の字を写し取る。誕生日カードの一文、古い手紙の署名、財布に入れっぱなしのメモ。タトゥーになった瞬間、それは失くしようのない遺品になる。
前腕の内側、肋骨、鎖骨。見たいときに見える場所が合う。
できる限り高解像度のスキャンを持ち込む。同じ言葉のサンプルが複数あればなお良い。彫師は線の太い細いから筆圧を復元する。しわくちゃのメモを斜めから撮ったスマホ写真が失うのは、まさにその情報だ。


